「ミスゼロ子」の導入により、業務を効率化ピッキングも棚卸も正確、かつラクラクに

エンゼル調剤薬局日光店(福井県福井市)様

(株)エイチアンドケーが福井県内に10店舗を展開するエンゼル調剤薬局では、(株)クカメディカルが開発した調剤過誤防止ピッキングシステム「ミスゼロ子」を導入、調剤ミス防止はもちろん、棚卸でも活用され、業務の効率化に貢献している。 

わかりやすい説明をモットーに 

福井県福井市の住宅街に位置するエンゼル調剤薬局日光店は、2014年4月に開局した。近隣の総合病院からの処方箋 が約60%、老健施設からの処方箋が約15%を占めている。高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病に関わる処方が中 心の内科と、泌尿器科、整形外科からの処方が比較的多いという。処方箋応需数は1ヵ月あたり1,200枚弱で、ジェネリック医 薬品の割合は63%程度。備蓄医薬品目数は約1,500品目で、 姉妹店の不動医薬品も日光店で一括管理している。薬剤師3人 (うち非常勤2人)、事務スタッフ2人(うち非常勤1人)で、薬局業務を担う。 

地域密着を大切にしており、管理薬剤師の竹内圭氏は「わかりやすく説明することを心がけています。患者さんの理解力に応じて、例えば『抗生物質』を『ばい菌を殺すためのお薬』と言い換えるなど、伝え方を工夫しています」と話す。 

エンゼル調剤薬局では、2014年1月 に3店舗で、調剤過誤防止ピッキング システム「ミスゼロ子」を導入、その後 エンゼル調剤薬局日光店 管理全店に拡大した。単純な調剤・監査

ミスによるアクシデントで時間が取られることを考えると、費用対効果の面でメリットがあるとの判断からだ。 2016年11月には、福井県薬剤師会医療安全委員会が主催する 「インシデント報告システム1周年記念シンポジウム」の場で、エンゼル調剤薬局宝永店の薬剤師が「ミスゼロ子」を導入した結果 について報告している。この報告では、職員70人に対する導入 後の実感についてのアンケート調査結果を紹介しているが、調剤過誤について9割以上が「減少した」と回答している。 

複数の薬をピッキングする際には、棚番号順に表示されるため、薬剤師が棚の前を行ったり来たりする動作がなくなり効率的です」と竹内氏は説明する。 

また、「ミスゼロ子」は棚卸でも活躍している。エンゼル調剤薬局では、2017年2月に日光店を含む3店舗で実験的に「ミスゼロ子」を用いた棚卸を実施し、 メーカーと相談して細かい点を修正し、5月から全店舗で導入した。 

「棚卸のいちばんの悩みは、時間がかかること。『ミスゼロ子』 を使うと、バーコードをピッと読み取るだけです。手作業で記入し たり、その情報を在庫管理システム用の端末に入力する必要がなくなり、大幅な時間短縮につながりました。以前、棚卸は1日で終えることができなかったのですが、いまは1日で完了できます」 と竹内氏は指摘する。 

さらに、「ミスゼロ子」のハンディ端末でバーコードを読み取ると、 他社在庫管理システムから取り込んだ理論在庫も表示されるので、 万一、実在庫と違った場合でも原因を突き止めやすいとのことだ。 

「ミスゼロ子」は調剤ミス防止に役立っているのはもちろん、業務の効率化にも貢献しているが、竹内氏は「システムに100%依存するのではなく、システムを賢く使うことが大切。今後もメーカー には積極的に意見を伝えていきます。システムがよくなれば、薬剤師の業務に余裕が出て、結果として患者さんのためにもなると思います」と話す。 

棚卸に必要な時間を大幅に短縮 

エンゼル調剤薬局日光店では、「ミスゼロ子」のハンディ端末 4台を活用。通常、処方監査後に薬剤をピッキングしているが、 来患者が多い時は、ピッキング後に処方監査を行うこともある。 「ミスゼロ子」は柔軟な運用ができる点が大きなメリットだ。日光店では“参照ピッキング”機能により、処方内容を表示させ、ハンディ画面を見ながら調剤している。 

DI201709-1

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