施設調剤の薬品取り揃えで有効性を示す「ミスゼロ子」

エンゼル薬局大安店様(三重県いなべ市)

三重県のエンゼル薬局大安店では、クカメディカルの提供する調剤過誤防止ピッキングシステム「ミスゼロ子」を採用。来局患者だけでなく、施設調剤での薬品取り揃えに活用しており、その有用性を高く評価している。 

「ミスゼロ子」は、来局患者向けのピッキング(写真)だけでなく、 施設調剤での薬品取り揃えにも大いに活用されている 

エンゼル薬局大安店は、三重県に12店舗、愛知県に5店舗を展開する(有)プライム(本社:三重県いなべ市)の基幹薬局で、1998年10月に開局した。 

同店の立地するいなべ市は人口約4万5,000人で、三重県の最北端に位置している。近隣の内科クリニックからの処方箋を中心に、総合病院・大学病院・在宅クリニックなども含めて月に約40 の医療機関から幅広く処方箋を受付けている。処方箋応需枚 数は1カ月あたり約2,000枚で、備蓄医薬品目数は約1,900品目、ジェネリック医薬品も積極的に取り扱っている。通常、常勤薬剤師 4人、常勤事務員2人のスタッフで薬局業務を担っている。 

「エンゼル薬局では、 外来の患者さんだけでなく、施設調剤や在宅訪問も積極的に取り組んでおり、大安店の場合は特別養護老人ホーム、グループホー ムなど10施設の調剤を行っています。また、 医師の往診に同行して処方のサポートや、 患者さんの状況を確認した上での服薬指導をしています」と同店管理薬剤師の中嶋氏は語る。 

施設の看護師やスタッフから必要な薬の相談や症状の変化を医師に情報提供をするなどのサポートも行っている。「嚥下困難などで剤形の変更や粉砕などを医師に提案したり、外国人スタッフがわかるように一包化の印字にひらがなでの表記を追記したり、患者さんや施設スタッフの負担を減らすようにかかわっています」(同店薬剤師の早野氏) 

地域に根ざした調剤薬局として親しまれているエンゼル薬局大安店。同店薬剤師の東篠氏は「患者さんとの距離が近く、薬剤師としてやりがいがあります」と話す。 

エンゼル薬局では、業務の効率化、最適化、安心と安全の実 現の観点から調剤機器・監査システムを積極的に導入している。 

「ミスゼロ子」の導入もその一環で、現在7店舗での調剤過誤防止に役立てている。大安店では2018年3月から「ミスゼロ子」 で先調剤を行う方法を取り入れており、ジャーナルプリンター(オプション)で単票を印刷して照合する。 単票がなくても照合は可能だが、その場合は集薬ナンバーを手入力する必要があるので、 単票を印刷することで作業効率が高くなると言える。施設調剤では、錠剤を粉砕するケースも多いが、薬品判別ができなくなるため、「ミスゼロ子」で履歴確認できるメリットも大きい。 

「この単票を一包化の取り揃え分と一緒に保管することにより、薬剤の把握ができ、棚卸がスムーズにできるようになりました」 (早野氏) 

他の監査システムとの違いについて、東篠氏は次のように指摘する。「たとえば、画像による監査システムを用いた場合は、 監査の順番待ちをするいわゆる“監査渋滞”が起きてしまうことがあるのですが『ミスゼロ子』の場合は、そのような心配がありません。また、狭い調剤スペースで活用できるのも大きなメリットだと思います」 

エンゼル薬局では店舗ごとの特徴に合わせ、「ミスゼロ子」の 運用方法を変えているが、他店に応援に入った時でもそれほど 迷うことはないという。 「『ミスゼロ子』を使えば別物間違いは起きません。この安心感があるだけで、服薬指導の際に自信を持って話ができる心の余裕が生まれるのです。この余裕によって本来『ミスゼロ子』で は把握できない数量間違いも減らすことができました。『ミスゼロ子』は薬剤師をサポートし、患者満足度を高める貴重なツールとなっています」と中嶋氏は話す。

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