調剤過誤防止システム「ミスゼロ子」が対人業務重視への業務改善を後押し

ほんじょう薬局では、業務手順の見直しを行い、薬剤師は対物業務から対人業務に力を入れる形にシフトすることになった。この見直しに伴い監査機器を導入することになり、調剤過誤防止システム「ミスゼロ子」が選ばれた。

先進的な医療に対応し、勉強会も主導

ほんじょう薬局は松本保険薬局事業協同組合が、1994年に設立した調剤薬局。同組合は長野県松本市、塩尻市、東筑摩郡の約50の薬局が組合員となっている。
「個々の組合員の薬局では、先進的な医療に対応しきれない面があったため、組合として新しい薬局を作って対応することになりました。また、そこで得た情報を組合員にフィードバックしていくのも私たちの役割です」とほんじょう薬局管理薬剤師の池上宜芳氏は話す。
同薬局は先進的な医療を積極的に採り入れている総合病院に隣接している。数年前にはその病院の薬剤部と共同で、がんの処方箋への対応法をまとめた冊子を作成。現在も薬剤師が1人、隣接病院の高度医療に対応するための研修を受けている。一方、ほんじょう薬局が中心となって組合員向けの勉強会も開催しており、先進的な医療への対応や加算などの情報提供に努めている。


別物間違いの心配がなくなり精神的に楽になった


ほんじょう薬局の処方箋応需枚数は、1日あたり90~120枚。運営スタッフは薬剤師が常勤2人・非常勤8人、事務が常勤1人・非常勤3人で薬局業務をこなす。
同薬局では、2年前に業務手順を大きく見直す改革に取り組んだ。見直しのテーマは「薬剤師の対物業務から対人業務へのシフト」だった。
「当薬局では、処方箋受付時に、薬剤師が患者さんと話をすることが1番大切だと考えているので、時間をかけるようにしました。その間に調剤、監査を進めるわけですが、薬剤師の対物業務にかける時間を短くするために、監査機器の導入が必須と考えました」(池上氏)
そこで導入することになったのが、株式会社クカメディカルが提供する調剤過誤防止システム「ミスゼロ子」である。池上氏が中心となって検証を行ったうえで、2020年9月から運用を始めた。
「ミスゼロ子」は薬局の業務手順に合わせて使い方を変えることができるが、ほんじょう薬局では、まず処方箋に基づいて調剤を行う。その後、監査台で取り揃えた薬品のバーコードを「ミスゼロ子」のハンディ端末で読み取り、処方箋の内容と照合する。なお、バーコードを読み取る際に、ハンディ端末に内臓されたカメラで薬剤を自動撮影する仕組み(オプション)も利用している。
「『ミスゼロ子』のおかげで、別物間違いの心配がなくなったため、薬剤師としては精神的な負担が大きく減りました。この結果、当初からの狙いであった対人業務に安心して力を入れることができています」(池上氏)
また、間違えてピッキングした薬剤を棚に戻す際にも、「ミスゼロ子」が活躍するという。充填チェック機能が搭載されており、戻す薬品と薬品棚にあるバーコードを照合、間違った場所に薬品を戻さないようにする仕組みとなっている。
導入直後には、ハンディ端末のボタンを押し間違えて画面が切り替わってしまい、操作法がわからなくなったことがあったが、フリーダイヤルのサポートセンターを利用し、速やかに問題は解決した。
「万全のサポート体制で、この点でも『ミスゼロ子』を選んでよかったと思いました。導入を検討される際にはメーカーさんが提案してくれる、検証機導入をおすすめします。事前に薬局業務に適したシステムであるかを判断することができるため、採用後も安心して使用できます。個人的にも、『ミスゼロ子』なしの業務は考えられません。それほど助けられています」と池上氏は話す。
※検証機の設置にはレセコン側にて連携用のシステム設定が必要となります。

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