調剤ミス防止バーコードピッキングシステム「ミスゼロ子」

クカメディカル(奈良県奈良市)

調剤過誤をめぐる薬剤師の法的 責任に社会的な関心が高まる中、 クカメディカル(本社奈良県)の調剤ミス防止バーコードピッキング システム『ミスゼロ子』を導入する 薬局が増え、高い評価を得ている。 

調剤をめぐって発生するヒュー マンエラーは、薬品間違い、規格 間違い、レセコン入力間違いや散薬秤量ミスなど多岐にわたるが、 1つのケアレスミスが全社で培ってきた信頼を根底から崩してしまうことも起こり得る。薬局におけ るリスクマネジメントは、そうした一連のミスを防止する対策を考 えるところから始まる。レセコン連動でヒューマンエラーを抑止す る 『ミスゼロ子』は、調剤薬局チェーン(7店舗)の運営も手掛け る同社が現場に立つ薬剤師の意見 を反映させて独自に開発したシス テム。群を抜いた使いやすさが最大の特徴で、調剤ミス防止バーコードピッキング システムのパイオニア的存在だ。 

「最も評価をいただいている点 は、約2万品目に及ぶ薬品マスターのメンテナンスがほぼ不要であること。また、現在、外箱や PTP シートに表示されているJANコードは2015 (平成27)年7月以降、 新バーコード(GS1-RSS コード) のみとなるが『ミスゼロ子』の場合、すでに対応しており、導入薬局さまのさまざまな運用にマッチ した使用が可能」と同社執行役員調剤システム部部長の梶田賢司氏は、その優位性を強調する。 

そのネーミングも印象的な『ミスゼロ子』は、レセコン入力データと照合するピッキングシステム と、同じくレセコン連動で散薬の 取り間違い・秤量ミスを防ぐ散薬 監査/秤量記録システムの大きく2つで構成されている。調剤時に バーコード(JAN コード)、もしくはPTP シート・分包ヒートの GS1-RSSコードをハンディ端末 でスキャンし、レセコン入力データと照合する。ハンディ端末は、 タッチパネル式小型携帯タイプ (連続10時間運用かつ予備バッテ リー付)でバッテリー切れの心配もない。オプションで棚卸、仕入、 発注といった在庫管理に関する業務も行える。 

バーコードを読み込んだ時点で 薬品名や規格の誤り、充填ミス、 調剤漏れ、二重取りなどエラーを 発見。エラー表示・エラー音・バ イブレーションで三重に薬剤師の注意を喚起する。半錠チェック、 予製品ピッキングなども可能。ハンディ端末を使って調剤した医薬品とレセコン入力内容を後から照合することもできる。その他、棚番登録・表示、調剤数量表示、患者一覧など多彩な機能を備え、監査ならびに投薬までのヒューマンエラーを防止する。 

『ミスゼロ子』 レセコン入力値を棒グラフで分かり やすく表現。常用量・年齢・体重 別薬用量をあらかじめ設定することでセーフティーゾーンをビジュ アルで示してくれる。薬品間違い・規格誤りはもちろん、秤量ミス時もエラー音+赤色のバー表示で視覚に訴える。 システム一式の設置とレセコン の連動は2~3時間程度で導入も容易である。設置後、導入薬局に は十分な説明に加え、運用に際して同社の立ち会いサポートが行われる。薬局側の作業は、現在使っている調剤カセットにバーコードシール(同社が用意)を貼るだけ。 今後、調剤包装単位 GS1-RSSコードが全ての薬品に表示されれば 貼る必要もなくなる。定期的に更新される薬品マスターは、同社HPよりダウンロードできる。 

「1人薬剤師の薬局は『ミスゼロ子』の導入によって第3者的なチ ェックを行える。10数台のハンディ端末を接続する規模の薬局では、経験の浅い薬剤師でもレベルの統一を図れる」(梶田氏)との汎用性の高さが評価され、全国で多数の導入事例を誇っている。 

DragMagazin201411

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