「ミスゼロ子」の導入を機に業務改善待ち時間の短縮にも貢献

第一薬局 (埼玉県戸田市) 

(株)ダイチ(埼玉県戸田市)が運営する調剤薬局3店舗の1つである第一薬局では、(株)クカメディカルが開発した調剤過誤防止ピッキングシステム「ミスゼロ子」の導入を機に業務の見直しを行い、待ち時間の短縮につながる効果も得られたという。
混雑時でも丁寧な服薬指導を心がける
第一薬局は埼玉県戸田市にある総合病院の近傍に立地する調剤薬局で、同病院からの処方箋が9割を占めている。処方箋応需数は1日あたり約350枚、多い日には約500枚にのぼる。患者は高齢者中心だが、近隣の病院に小児科や耳鼻咽喉科があるため、小さい子どもを連れた母親も多い。備蓄医薬品目数は2,300品目で、ジェネリック医薬品の調剤割合は約78%。薬剤師23人(うち非常勤6人)、事務スタッフ12人で運営している。
同薬局の薬局長(管理薬剤師)の伊藤剛志氏は、大型店舗ならではの混雑について、次のように話す。「多数の診療科の患者さんが来局するため、待ち時間が長くなりがちです。このため接遇には気を使っていて、忙しいからといって粗雑にならないよう丁寧な服薬指導を心がけています。また、体調の悪い方、小さなお子さん連れで長時間待つのが難しいと思われる方などは、ケースバイケースで優先することもあります」
第一薬局は年中無休で営業しているが、多忙な中でも新薬の勉強会など開催、Eラーニングも採り入れている。また、戸田市薬剤師会などが主催する研修会などにも交代で参加し、知識向上に努めている。


新型ハンディ端末の読み取り性能の向上で導入を決断

第一薬局の近隣には、本町薬局と第一薬局戸田公園駅前店という姉妹店がある。この2店には以前から「ミスゼロ子」が導入されていて、伊藤氏も調剤過誤防止に役立つと高く評価していた。ただ、第一薬局ではすぐに採用することができなかった。
「他の2店舗は棚に薬品のバーコードを貼っていて、『ミスゼロ子』のハンディ端末でそれを読み取っていました。ところが、第一薬局は姉妹店と違い大型店のため、棚の数が多くバーコードを貼る作業の負担があまりに大きいと考え、導入を見送っていたのです」と伊藤氏は事情を話す。
ところが、現在ではほとんどの薬剤のシートに鑑査にも利用できるGS1コードが印刷されるようになり、棚にバーコードを貼る必要がなくなった。また、「ミスゼロ子」のハンディ端末が新型となり、シートに印刷されたGS1コードが読み取りやすくなった。こうしたことから、第一薬局でも「ミスゼロ子」の導入を決断し、2016年11月から稼働を開始した。第一薬局では、「ミスゼロ子」の導入と同時に業務の流れも改善した。それまでは患者さんごとのクリアファイルに必要な書類や薬袋をまとめておき、ピッキングした薬剤を薬袋に入れていた。その後の鑑査では、薬袋から薬剤を取り出してチェックする仕組みだった。改善後はクリアファイルをトレイに変更、ピッキング後に「ミスゼロ子」のハンディ端末で薬剤のGS1コードを読み取り、鑑査を終えてから薬袋に入れることにした。9台のハンディ端末は薬品棚のカウンターに置いている。ピッキングは、5~6人の薬剤師が担当するため、ハンディ端末が不足することはない。この流れは姉妹店2店とは手順が異なり、規模の大きい第一薬局に合わせた改善だった。
「『ミスゼロ子』の導入で別物間違いがなくなり、数量間違いも減りました。この安心感は非常に大きい。そのうえ業務改善にもつながりました。ピッと読み取るひと手間が増えたにも関わらず、トータルでみるとスピードアップしていて、患者さんの待ち時間の短縮に役立っています」と伊藤氏は導入の成果に手応えを感じている。

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